本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『あの世に聞いた、この世の仕組み』(雲黒斎)

 お薦めの本の紹介です。
 雲黒斎さんの『あの世に聞いた、この世の仕組み』です。

 雲黒斎(うん・こくさい)さんは、広告代理店に勤められていた頃、あることがきっかけで突然霊的な目覚めを体験されます。
 その様子を書きつづったブログ、「あの世に聞いた、この世の仕組み」は多くのアクセスを集める人気です。
 現在は、全国での講演活動を行われるなど、活躍の場を広げられています。

運命の“出会い”は突然やってきた!

 長年のストレスが原因で、セロトニン欠乏による記憶障害(うつ症状の一種)になった黒斎さん。
 会社を休職し、治療のために心療内科で処方された強烈な薬を飲んでいるうちに、なんと、自分の守護霊とコンタクトをとれるようになってしまいました。

 黒斎さんは、もともと心霊現象やオカルトにもまったく興味がなく、宗教にもまったく無関心。
 逆に、非科学的な現象にうさん臭さすら感じていたとのこと。

 そんな黒斎さんに、突然の“運命の出会い”が。
 頭の中に《自分のものではない思考》が入ってきます。

 おまえの記憶はどこにあると思う?

「ん、いまの何?」

 おまえの記憶はどこにあると思う?

「えっ? どこって・・・・。脳・・・・、だよね?」

 違うなぁ。

「えぇぇ? 違うの???」

 違うよ。

「じゃ、じゃあ、どこに・・・・?」

 魂に。

 ちょっ、チョット待った!
 え? えぇ? 意味わかんない・・・・。何これ!?
 自分で言うのもなんですが、仕事柄、想像力は豊かなほうだと思います。
 だからこそ、自分の頭の中で行われているやり取りが、「自分でつくっている想像上のやり取り」なのではないかと思えるのです。
 ましてや抗うつ薬を服用し、心療内科に通院中の身。
 僕の頭の中に入ってくる、僕のものではない(と思われる)思考。これはいったい何?
 これって、やっぱり僕の幻聴? かなり混乱していました。

 あははは。だいぶ、まいっているようだね。

「そ、そうですね・・・・」

 さて、話を続けよう。自分の記憶は、消えてしまったと思うかい?

「う〜ん・・・・。わからないけど、なくなったとは思いたくないです。できれば、思い出したい」

 大丈夫だよ。おまえの記憶は、魂が全部書き留めているから。

「あの・・・・。意味がよくわからないのですが・・・・」

 臓器移植を受けた人間が、ドナーの記憶をもつことがあるという話を聞いたこと、あるだろ。

「あ、はい。あります」

 臓器は脳ではないよね。では、なぜこの人間はドナーの記憶があるのか?

「たしかに理解しがたい不思議な出来事ですよね」

 記憶が魂にあるとすれば、ありえなくはない、と思わないか?

「へ?」

 臓器に宿っている魂に記憶があるから、移植を受けた人間がドナーの記憶にアクセスできたんだよ。いいことを教えてあげよう。脳はおまえが思っているような「ハードディスク(記録メディア)」的なものじゃないんだ。どちらかというと「チューナー(受信機)」に近いんだよ。

「!」

 いまたいていの人は、魂の存在をあまりよく理解できていない。だから、多くの医者や科学者なども記憶は脳に蓄積されていると思っている。

 『あの世に聞いた、この世の仕組み』 第1章 より 雲黒斎:著 サンマーク出版:刊

 黒斎さんは、とまどいながらも、この未知なる存在からのアドバイスに従います。
 指示されるがまま、色々な本を読みあさり、「あの世」について多くの知識を得ます。

 本書は、黒斎さんが自分の守護霊とかわした“あの世”についてのやりとりをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「望みを叶えるためのコツ」とは?

 黒斎さんは、雲さん(黒斎さんの守護霊)から「望みを叶えるためのコツ」を聞かされます。

 雲さんによると、「この世」は「あの世」の一部であり、この二つを隔てる境界線はなく、「この世」の法則は、基本的には「あの世」の法則と同じとのこと。

「その法則って?」

 自分の思いそのものが、自分の現実をつくるという法則。
 ここから、少しややこしくなるから、注意して聞きなさい。
 おまえが何かを考えると、宇宙がその考えをそのまま反映し、現実をつくり出す。これは地球でたとえるなら「万有引力」などと同じ自然法則だと思うといい。その自覚があろうがなかろうが関係ない。宇宙は、おまえの思考をもとにおまえの現実を与えている。これが基本法則だ。

「ごめん、いまの話は全然理解できない。だって、現に僕の目の前にある現実は、僕の望みどおりになんてなっていないもの」

 だから、それはおまえの望み方に問題があるんだよ。
 いま私が話した内容を正しく解釈すれば、「望めば望むほど夢は逃げていってしまう」ということに気づくはずだ。
 夢や希望は追い求めてはいけない。引き寄せるんだよ。

「??? ごめん。ますます意味がわからない」

 まったく、しょうがねぇなぁ・・・・。
 もう一度説明するから注意して聞いてくれよ。
 おまえが何かを考えると、宇宙がその考えをそのまま反映し、現実をつくり出す。
 この「そのまま」というのがポイントなんだ。宇宙はバカ正直なんだよ。機転が利かない。だから、おまえの思考そのままをつくり上げようとする。
 おまえは、「守護霊さんともっと円滑にコミュニケーションをとりたい」と言った。だから宇宙は「守護霊さんともっと円滑にコミュニケーションをとりたい状況」をそのままつくっている。
 わかるかい? 「もっと円滑にコミュニケーションをとりたい」という言葉の裏には「いま私はうまくコミュニケーションがとれていない」という意味が含まれている。だから「うまくコミュニケーションがとれない現実」がそのままでき上がっているんだよ。

「!!! ああ! そういう意味ですか!」

 な、おもしろいだろう? 人間は欲をかくと失敗する。その理由はここにあるんだ。

 『あの世に聞いた、この世の仕組み』 第2章 より 雲黒斎:著 サンマーク出版:刊

 多くの人が指摘する通り、「思考は現実化する」ということですね。

 私たちが抱く「〜したい」という望み。
 それは「〜が叶っていない」という思考の裏返しです。

 望んでいることを現実にするためには、すでに望みが叶っているかのように考え、言葉にし、行動することが一番の秘訣です。

人の心は「ゴムボール」のようなもの

 黒斎さんは、自分の経験や雲さんから学びをもとに、心と体の関係(心のありか)について、「人間は、三次元だけではなく、複数の違う次元で同時に生きている」という仮説を立てます。

 黒斎さんは、人間の心を「ゴムボール」に例えて、心の状態が体にどのように影響を与えているかを説明しています。
 
 ゴムボールを指で押して凹(へこ)ませても、正常な状態なら反発して元の状態に戻りますが、長期間圧力を掛けた状態にすると、手を放しても反発せず、凹んだままになってしまいます。
 心が元気がない状態というのは、ゴムが硬化して凹みのとれにくい状態です。
「凹み癖」がついた状態のゴムボールでは、床や壁で弾まないので、遊んでいても楽しくありませんね。

 ゴムが硬化した状態で、無理やり空気を入れようとしても、すぐに抜けてしまいます。
 もがいて元気を出そうとすればするほど疲れてしまう・・・・そんな悪循環のループにはまってしまいます。
 最終的には、ゴムボールで遊ぶこと自体を放棄してしまい、「凹みっぱなしでいい」と投げやりになってしまいます。

 黒斎さんは、うつ病は、一度空気が抜け、凹んでボロボロになってしまった自分は、凹みっばなしでいるしかないんだという、固定化された思考から抜け出せない状態だと指摘します。

 そのゴムボールの「内側」ど真ん中、中心部に「あなた」がいます。そう。「心」の内側に「体」があると思ってみてください。
「自分(内)」と「自分以外(外)」を分ける壁、その境界線が、この「ゴムボール」です。
 このゴムボールは「常識」「価値観」「先入観」「劣等感」「警戒心」など、それまでの人生で自らが築き上げてきた「思考」によってでき上がっています。

 あなたはいま、ゴムボールに包まれています。
 このゴムボールは、あなたの心理状態に合わせて、その性質を変化させます。
 あなたが愛とやさしさにあふれ、心に温かな熱をもっているときや、情熱の炎を燃やしているとき。
 ゴムボールは、その内側にある熱によって大きく大きく膨張します。ゴムは、大きく膨らむために、柔軟性をもたせていきます(柔軟性が高まるほどに、大きく膨らむことができます)。内部空間は広がり、のびのびと躍動的に動き回れる「余裕」が生まれます。

 また、その壁は徐々に薄くなり、透明度を増していきます(風船を思い浮かべていただければイメージしやすいかもしれません。風船は、膨らませるほどにゴムが薄くなり、透明度を増して向こう側がよく見えるようになりますよね)。透明度を増すほどに、世界の本当の姿、ありのままの姿が、ゆがみなく見えるようになります。
 だから、どんな状況変化にも柔軟に対応でき、新しい経験にも意欲的にチャレンジしていけます。
 逆に、あなたが外界からのストレスに怯(おび)え、防御態勢に入っているとき。
 自分を外界のストレスから守るため、あなたはその壁を、厚く、硬くすることで、防御壁を頑丈にしようとしてしまいます。ゴムを厚く、硬くするため、ボールは収縮します。
 ボールが収縮し、壁が厚くなったことによって、透明度を失っていきます。だから、見るものすべてが不明瞭となり、「あるがまま」をとらえることができません。
 内部空間が圧縮されていることと、壁による光の遮断によって、その中の温度は寒々しさを増していきます。また、狭くなったことで、体を小さく小さく丸めなくてはなりません。余裕はなくなり、不自由さを痛感します。あらゆることに消極的になってしまいます。

 『あの世に聞いた、この世の仕組み』 第6章 より 雲黒斎:著 サンマーク出版:刊

 出来事は出来事であり、事実は事実です。
 同じ経験をしても、人によって受け取り方はさまざまです。

 すべては自分の心の状態次第。
 それが、このゴムボールの例えでよくわかりますね。

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 魂、守護霊、あの世。
 目には見えないけれど、誰もが知りたい興味のあることではないでしょうか。

「“あの世”とは何なのか?」
「死んだらどうなるのか? どこに行くのか?」
「何のために生まれてきたのか?」
「“この世”は何のために存在するのか?」

 本書は、そんな私たちの疑問に理路整然(りろせいぜん)と答えてくれます。
 “この世”は“あの世”の一部であり、同じ仕組み、同じ法則によって動き、切っても切れない関係です。

 すべては全体の中の一部。
 目に見ることができるのはごく一部だけ。

 そう考えると、遠く感じていた“あの世”についても身近に感じられますね。

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One thought on “【書評】『あの世に聞いた、この世の仕組み』(雲黒斎)

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