【書評】『9割の肩こりはもまずに治せる』(島田弘)

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 お薦めの本の紹介です。
 島田弘先生の『9割の肩こりはもまずに治せる』です。

 島田弘(しまだ・ひろし)先生は、パーソナルトレーナーです。
 独自の筋肉トレーニングプログラムを開発され、多くのクライアントから絶大な支持を得ていらっしゃいます。

筋肉をつければ肩こりが治まる?


 日本の肩こり人口は、1200万人以上ともいわれています。
「10人に1人は肩こり」という“肩こり大国”です。

 それにもかかわらず、肩こりの対処法では、誤った知識や偏見が常識となっています。

 島田先生は、「肩がこったからといって肩まわりだけに何かをしても治らない」と指摘します。
 肩がこったとき、強くもんでしまうのは、筋組織を痛め、逆効果の場合が多いです。

 正しい肩こり解消は、以下の三点についてトータルで考えることが必要です。

 「姿勢改善 + 肩甲骨の動き改善 + 筋力アップ」

 本書は、肩こりの原因や発生のメカニズムについて解説し、肩こりの出ない体になるための筋肉エクササイズをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「こり」って何?


 筋肉が緊張した状態が続くと、血流が悪くなり、その部分に酸素がうまく運ばれなくなります。
 そのため、酸素不足で疲労物質がたまりやすくなり、「こり」が発生します。

 島田先生は、「肩こり」が起こりやすい理由について、以下のように説明しています。

 頭は6キロ前後あるといわれています。これは、ちょっと大きめのスイカの重さです。意外に重たいと思いませんか?その頭は、首から背中にかけてある「僧帽筋(そうぼうきん)」という筋肉に引っ張られて支えられています。引っ張っているということは、筋肉は縮もうとして頑張っているということです。
よって、肩こりは、肩まわりの筋肉の疲労が原因なのです。
 前述したように、長時間にわたって本を読むなど、頭が前に突き出した姿勢が続くと、僧帽筋などの筋肉が緊張し続けることになります。
すると、筋肉内にある血管に血液が回らなくなり、酸素が不足します。酸素不足の状況では、筋肉内に疲労物質がどんどん蓄積し、それにともなって痛みや張りを感じるようになる――それが、「こり」なのです。

 『9割の肩こりはもまずに治せる』 第1章 より 島田弘:著 中経出版:刊

 こりを治すには、強くもむのはもちろん、温めても、冷やしてもダメです。
 熱く感じたり、冷たく感じているのは表面の皮膚だけで、実際に奥まで冷えたり温まっているわけではないからです。

 根本的に治すためには、「自分自身で肩こりが出ない体に変えていくしかない」とのこと。

「鎖骨」の動きがポイント!


 肩甲骨とともに、腕を動かす際に注目すべき骨は、「鎖骨」です。
 鎖骨は、ちゃんと肩を回すことができないと、ほとんど動かない部位です。

 鎖骨に触りながら腕を回してください。そうすると、イラストの①(下図の左上を参照)だと鎖骨は動いていませんが、②(下図の右上を参照)では大きく動いていることがわかるでしょう。手を腰に添えて肩で大きな円を描くように回しても、鎖骨がすごく動いていることがわかるはずです。
 つまり、肩で大きく円を描くように回すと、鎖骨のあたりがたくさん使われるのです。この動きをすると、違う筋肉にも刺激が入るため、肩こりの解消におすすめです。
 先述したように、腕の始まりは肩ではなく、胸骨と鎖骨のぶつかったところ「胸鎖関節」(下図の下を参照)です。
 そこが腕のすべての動きの始まりになります。手で触れて動かしてみると、少し腕が動いただけで、その部分も動くことがわかるでしょう。
そこから腕が始まっていると意識している人のほうが、肩こりは少ないはずです。
 腕の始まりは後ろが肩甲骨なら、前は鎖骨のあたりということになります。
 肩が回るというのは、そこを支点として鎖骨が回転するということで、円すいを描くように鎖骨は動いています。

  『9割の肩こりはもまずに治せる』 第2章 より  島田弘:著  中経出版:刊

鎖骨を動かすP67
図.鎖骨を動かしてみよう(『9割の肩こりはもまずに治せる』 第2章 より抜粋)

 肩甲骨は背中側にあるので、自分の目で確認することが難しいです。
 鎖骨が動いているかどうかは、鏡などを使ってチェックしましょう

よい姿勢は楽に立っていられる


 肩こりを解消するには、「正しい姿勢」を保つことが重要です。

 きれいな立ち姿かどうかを自分で判断するためのポイント。
 それは、耳の穴、肩の先、太ももの骨の外側の骨盤寄りの一番末端(大転子)と、ひざの横の出っ張っている骨とくるぶしの五つの点が、横から見て一直線になっているかです。

 猫背の人や、そり腰の人の場合、五つの点が一直線にならないのです。

 よい姿勢というのは、全身の筋肉が緊張しすぎることなく、楽に立っていられるということです。

 この位置がずれれば、肩こりや腰痛が出やすくなるわけです。
 頭が前に突き出ていしまい、背中が丸まってしまうと、重心が前に移動します。それとバランスをとるために、腰やひざが前後するようになり、直線が壊れるのです。

 姿勢が悪い人は確実に肩こりになります。とすると、首や肩、背中の「こり」に悩んでいる人たちは、きれいな姿勢になればこりはなくなるということです。
 猫背、なで肩、いかり肩、そり腰が、すべて肩こりなるのは、姿勢の悪さが原因なのです。

 『9割の肩こりはもまずに治せる』 第3章 より 島田弘:著 中経出版:刊

 五点が一直線上にある姿勢をつくるための大きなポイントのひとつ。
 それは、「胸を軽く張ること」です。

 イメージとしては、お笑い芸人「オードリー」の春日さんの胸を張るポーズとのこと。

怖い「首回し」、ここに注意!


 肩がこったと感じた時、無意識にやるのが、「首回し」です。

 島田先生は、この「首回し」は、危険度が大きい動きで、安全性の観点から「やらないほうがよい」と述べています。

 洗濯物を干しているとき、星空を見上げて長いあいだ上を向いていたとき、あるいは美容院で仰向けになって洗髪してもらっているとき、めまいを起こしたことがないでしょうか。
 これは、「上を向く」「頭を後ろに傾ける」という動きが、脳に血液を送っている血管(頚椎(けいつい)動脈)を圧迫し、脳の血液循環障害を起こすために起こる現象です。この現象は、人によっては首回しで引き起こされることがあります。
 首を回そうとするのは、こっている筋肉を伸ばそうとするからです。こっている筋肉は、首の後ろ側と横ですから、前側半分だけ回せばOKということになります。

 『9割の肩こりはもまずに治せる』 第4章 より 島田弘:著 中経出版:刊

 肩こりの改善で、大事なのは、「首の後ろ側と横」の縮まってこってしまった筋肉を伸ばすことです。

 体のどの部分の筋肉を伸ばしたいのか。
 ストレッチをする場合は、それを意識して、無理をしないようにしましょう。

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 仕事が忙しいと、つい何時間もパソコンの前を動かず、じっとモニターとにらめっこしながら、キーボードを打ち続ける人も多いのではないでしょうか。

 肩や首、背中の「こり」は、私たちに機能の衰えを教えてくれるサインです。

 機械も使わないでただ置きっぱなしにしておくと、動きが悪くなります。
 最後には、錆びたりして使いものにならなくなります。
 人間の体も一緒です。

「こり」はそのまま放っておかないで、早めに正しい対処をして体をいたわってあげましょう。


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